松田町−川音川支流中津川、謎の道(前編)

まずは地図を見て欲しい
Googleマップにも載っているが、いささか現実離れしてるので、国土の方がマシだ
赤〜破線−道、緑−探索踏破ルート、青−治水水路



場所は、松田町中津川、川音川支流。寄入口から集落のある田代より下流
赤の延長、川の上流に向かって延びている道がある
川に沿って道があるみたいに描かれてるが、これは本当に実在するのか?

事前に寄地区地史や知合いの地元方々に対する調査で、まったく判らなかった
当初は、寄入口からの山道の代り(県道以前)となる道関係かと思ったが違うようだ
昭和の航空写真を見てもそれらしき物は見つからない。勿論、現在の航空写真でもだ
Web上で渓流釣りや滝マニア系で調べても、道の事はなにも触れられてない

こーなったら実際に行って、調べてみるしか無い!

探索日 2008年12月11日



 

寄入口住宅地にあるゲート

この辺はずっと金網でガードされ、
川に下りる事すらできない
国道沿いに松田ランドがあったのだが、閉鎖されている
建物自体は殆ど取り壊されているのだが、
立入禁止の場所が続く

ここ位しか無いよな
 
とりあえず人目に付かない場所まで・・・
と思ってると、重機が置いてある
ドキッ!とキョロキョロするが、人の気配は無い
 
ここから広場になっている
草も刈られてるので、管理されてるのだと思う
なんなんだろう・・・
 
中津川を見下ろす
河床より大分高い
河原が広がっている
 
広場を進む
丁度車両一台分位、踏み跡が続いている
 
トラックは下、河原の方へ降りて行くようだ
 
しかし、広場はまだ続いている
こちらが道の本命なのだろうか?
 
しかし進もうにも、足元はグッチャングッチャン
沼と化している
前日の雨の影響か、それともそういう地形なのか・・・
 
諦めて、とりあえず河原へ降りるトラックへ
どうせ戻ってくるのだし、チャリはこの辺にデポる
 
道は河原に向かって一気に下る
ダブルトラックが刻まれてる
 
勾配も結構キツイし、道もかなり悪い
普通の四輪では通れないだろう(登れない)
 
立木にロープ・・・
どあ〜っ!焦った
心臓に良くないよ

関係ないと思うがね
 
河原に出た所で早速道を見失う

地図によると左岸(上流に向かって右手)
に続いてる筈なのだが・・・
 
とりあえず左岸寄りに河原を進む
早速行けそうに無い
 
岩がせり出している・・・
というのか、川が岩を浸食してる・・・
こりゃ無理っぽいなぁ
 
越えてみようかと思ったが、結構な斜面
 
結局、少し戻って、登れるトコを探す
ここら辺なら行けるだろう
うんしょうんしょ
 
斜面を登ってると平場に出る
おおう、なんか道っぽいゾ

先ほど、沼化してて断念した広場の続きかも知れない
 
期待して進むも、直ぐに終点
過去に崩れたのだろうか・・・
 
とりあえず、通れそうな所を薮漕ぎ
 
左手を見ると、かなりの高さの崖
登りを諦めた所辺りか
 
とりあえず岩の所を越えたので、
下れそうな所から河原に降りる
 
先ほどの岩を反対側から見る
無理して岩越えをしないで良かった
こちら側の方がしんどい
 
河原から上流方面
 
左岸河原の外れに、
道っぽいルートはあるみたいだ
ただ、水が流れてて薮
 
薮漕ぎして下ってきたルート

崩れたけど、
そのまま道が続いているのか?
 
続く斜面を見ても、道の跡らしきものは無い

上の方に県道のガードレールが見える
 
斜面の続きも同様

暗部になってるトコには沢が流れてる
覗いて見たが、橋の跡とかも無い
 
この辺の斜面は結構急だ
 
河原を進むと対岸に何かある
 
治水工事の水路のようだ
 
地図通りなら、
まだ左岸(右側)に道が続く筈なのだが
 
ううむ、ここも進めそうに無い

ここらから上流は川幅が狭まる
河原は殆ど無くなる
 
勿論、斜面に道の跡らしきものは無い
急なので取り付いて登るのも結構大変そうだ
 
瀬になってて、川幅はあれど、水深は浅い
 
ぢゃぶぢゃぶ・・・

今日が暖かい日で良かった

けど、遡上装備では無いし、換えの靴も無いので、
今日一日は、濡れ足覚悟の上

万一の着替えは用意してあったんだけどね・・・
 
川を渡ると目の前に不思議ゾーン

ここだけ植林が行われて無い
道にしちゃ幅が広すぎる

鹿避けネットで囲まれてて、苗が植わってるようだ
 
ちゃんと乗り越えが作ってある

苗木の様子からも、最近のようだ
 
さて、右岸に渡ったので、遡上・・・
ううむ、やっぱ厳しいか

沢の奥を見渡しても、
簡単に通して貰えそうに無い

川を渡る事は可能でも、
ジャブジャブ上流に登っていくのは凄く大変なのだ
 
てな訳で、この辺の植林帯の際を登ろう
 
植林の中からも先程の不思議ゾーンが見える
この辺はかなり幅があるようだ
 
とりあえず、稜線を目指す

向こう側、川に下りるのは多分無理
地図で見ると判るが、かなり斜面がキツイ筈
 
それでも、こちらから見れば、左岸に道があれば判る

下から見上げても判らんけど、登りながら見ようというのだ
 
稜線には、植林の管理道がある
 
下の方、影になってるトコが河床
そこから斜面を見れど、道らしきものは無い
 
稜線のちょっとしたピーク

思ったより見通しは良くない
 
ここからは左岸の斜面を横から見る事ができた
やはり道が刻まれた跡も無い
 
もうちょっと頑張って登って、
上流の谷筋を見通せるトコまで来た

V字に刻まれた谷に、やはり道は見つけられない

地図上では、道の通る一番険しい所だ

そして、ここから谷に下るのも、
このまま谷に沿って斜面をへつるのも
ちょっと無理だと思う
 
引き返しついでに、
先程の不思議ゾーンを見に行く

植林帯を下って、見えてきた
 
金網フェンス到着

ラッキーな事に丁度上端の辺りに出た
 
上端にも乗り越え脚立が掛かってる
緑林帯を行けば、迂回する事はできるのだが・・・
 
さて、不思議ゾーンの先は・・・
というと、例の治水水路の上端であった
 
枯れ沢なので、雨天時にしか流れないのだろう
 
治水水路から下流を見ると
不思議ゾーンと分かれてるのが判る

恐らく土石流とかで植林帯に被害が出た
→治水用に水路を作った
→土石流跡に植林した
 
どうせなので、よっこらしょ
不思議ゾーンの中を通る
 
苗木が植わっている
地面を見ると、石がゴロゴロしてるので、
土石流説で正しいと思う
 
暫く行くと別の方面に出る脚立
そっちに出てみよう
 
治水水路に出た
まぁ、このまま下ろう
 
そして、中津川に出た

河原まで降りた道
ここまでの河原にあった道のような物

これらは治水水路工事の仮設道だったんだと思う
ただ盛っただけの道床で、河原のは流れちゃったと
 
帰りは迂回せず、ジャブジャブ
 


ここまでの調査にて、道は
「仮設の工事道はあったけど、既に消失」そして「上流への道は無い」と判断

国土地理院において実線道は「軽車道」、狭くても四輪が走れる道だ

斜面にあれば、多少崩れてても残っている部分はある筈
本当に川沿いにあれば、流れちゃったとしても、護岸の一部とか残っててもおかしく無い

ではなぜ国土やその他の地図に、道として描かれているのだろう

可能性としては仮設道だが、河原があって流れをコントロールし、道を作るのは可能でも、
狭い谷筋では、無理だろう・・・一雨で崩壊だ

では地図は単純に間違っているのだろうか?

後は道の行き着く先、険しい谷を抜けたトコを調べれば、何か判るかも知れない
という訳で後編に続く!

後編へ進む
前のページに戻る inserted by FC2 system